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Friday, April 17, 2020

布マスクでも「つけない選択肢ない」 安心しすぎは注意 [新型コロナウイルス] - 朝日新聞デジタル

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が466億円の予算を見込んで全世帯に2枚配り始めた布マスク。健康な人には不要とされてきたが、世界的にも着用が進む動きがある。ただ、マスク着用で誤った安心感を持たないことが大切だ。

 新型コロナは、ウイルスがついた手で口や目などを触ったり、せきやくしゃみのしぶき(飛沫(ひまつ))に含まれるウイルスを吸い込んだりしてうつる。発症した人がマスクを着ければ、飛沫が飛び散るのを防げる。

 だが、無症状やごく軽症の人が感染を広げたとされる事例も相次ぐ。激しい呼気や大きな声を出すことに感染リスクがあるとされ、国内ではスポーツジムや合唱団など健康な人が集う場で、感染者の集団(クラスター)が生じている。年齢が高いほど、のどから検出されるウイルス量が多い傾向があるとの報告もある。

 発症した人だけ着けても感染拡大はとめられない。こんな危機感から、米国などは布マスクの推奨に転じている。健康な人のマスク着用に否定的な世界保健機関(WHO)も、6日公表の新ガイドラインで、感染拡大予防のために世界でマスクが使われている現状を認めた。ただ、マスクの着用で安心し、人との距離の確保や手洗いがおろそかになることを懸念する。

 コロナウイルスは直径0・1~0・2マイクロほど。新型コロナは、飛沫より小さな直径5マイクロ以下の粒(エーロゾル)に含まれて空気中を漂い、感染を起こすこともあるとみられている。2010年に米労働安全衛生研究所が発表した研究によると、エーロゾルが医療用マスクを通り抜ける割合は医療用のN95マスクだとほぼゼロ。一方、布マスクは7~9割が透過した。

 ウイルスの侵入を防ぐ効果はほぼないが、聖路加国際大学の大西一成准教授(環境疫学)は、布マスクでも「つけないという選択肢はない」と話す。一部の大きい飛沫が飛ばないようにすること、鼻やのどの粘膜を保湿・保温してウイルス感染を防ぐ、ウイルスがついた手で鼻や口を触らないようにする点は期待できるという。(市野塊、今直也)

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April 17, 2020 at 05:18PM
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