プロボクシングWBA世界スーパーフライ級王者井岡一翔(35=志成)が5日、都内のスタジオでIBF世界同級王者フェルナンド・マルティネス(32=アルゼンチン)と調印式、グローブチェックに臨んだ。

7日、東京・両国国技館で2団体同級王座統一戦を控え、今年4月のカード発表会見以来となる両者の顔合わせとなった。両陣営、WBA、IBF両スーパーバイザーの立ち会いのもと、統一戦の調印が完了。グローブは井岡は日本製(黒と金)、マルティネスは米国製(青)を使用する。

井岡にとっては3月24日に35歳となって初めて迎える世界戦だ。何歳まで現役を続けるか、と問われた井岡は「やりたくても続けられるか分からない職業。1戦1戦、大事な試合。次の試合もとても大事。もしかしたら最後になるかもしれない。やりたくてもやれないのが人生。なので先の事も大事ですけど、この年齢になってより一戦一戦、大事に過ごしたいと思っている」と危機感を胸にリングに立つ姿勢を口にした。

IBF王者マルティネスに対しても最大級の敬意を払っている。拳を交える無敗のIBF王者に向け、井岡は「彼が今、IBF王者であることが、すべてを物語っていると思う。長い間、9度防衛していた(前IBF王者ジェルウィン・)アンカハスに2度勝ってタイトルを保持していることが、それがすべて。彼のキャリアをリスペクトしているし、超えたい『壁』もある。なので彼を戦いたい気持ちがあった」と話すと、マルティネス陣営から拍手が起こっていた。

マルティネスと契約を結ぶ元世界2階級制覇王者マルコス・マイダナ・マネジャー(40)は「35歳という井岡選手の年齢は関係ない。良い時代に井岡選手もマルティネスもいる。2人はスペクタクルな、重要な試合になる。昨日、井岡選手の試合を観て、とても完璧で、インテリジェントなボクサー。こちらも歴史をつくりたいと思ってやってきたんだ。井岡選手のタイトルをもらう。必ずマルティネスがアルゼンチンの2団体統一王者になると思う」とエールを送っていた。