冬季オリンピック・パラリンピック招致を巡り、札幌市は19日、市内のホテルで「招致関係者意見交換会」を開き、招致活動を停止することを決めた。国際オリンピック委員会(IOC)は2030年、34年大会の開催地を内定し、38年大会も絞り込んでおり、事実上、同市が約9年間にわたって取り組んできた招致活動からの「撤退」となる。
意見交換会には、日本オリンピック委員会(JOC)や関係自治体、地元経済団体、競技団体が参加。札幌市とともに招致に取り組んできたJOCの尾県貢専務理事は東京大会の汚職・談合事件を踏まえ「今はオリンピックへの信頼を取り戻すため、スポーツの価値向上に優先的に取り組む。現在の招致活動は停止する方向で関係者と協議する」と表明した。
続いて発言した秋元克広札幌市長も「仮に38年大会の可能性が再浮上しても、15年先だ。その時に札幌がどのような課題を抱え、まちづくりに対して大会開催がどのような効果を生むか見通せない状況であることから、招致活動は停止せざるを得ない」との考えを示した。出席者から異論は出なかった。
会議後、取材に応じた秋元市長は「停止」の意味について「『将来の可能性を残してほしい』という意見があり、撤退や白紙では将来においても招致をしないことになる。現時点で時期を見通すことは難しいが、将来の芽を残す意味から、立ち止まるという決定だった」などと説明した。
札幌市は14年11月、上田文雄前市長が開催都市への立候補を表明。当初は26年大会の招致を目指していたが、18年9月に北海道胆振東部地震が発生したことから、上田氏の後継である秋元市長が招致目標を30年大会に変更した。
しかし、東京大会のスポンサー選定を巡り、東京地検特捜部が22年8月、大会組織委員会元理事らを贈収賄容疑で逮捕するなど、汚職・談合事件が発覚。市民の開催支持が伸び悩み、市は今年10月、30年大会の招致断念を表明した。その後、IOCは30年にフランスのアルプス地域、34年に米ソルトレークシティーを選び、38年もスイスに絞り込んでいた。【高山純二、片野裕之】
2023-12-19 05:44:44Z
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