全米女子アマ女王は、オーガスタナショナルGCにも最後まであきらめずに立ち向かった。
マスターズの舞台、オーガスタナショナルGCで最終日が行われる「オーガスタナショナル女子アマチュア」の第4回大会が開催された。
10人が出場した日本勢の中で、最も期待が集まったのは、昨年の全米女子アマで優勝した17歳の馬場咲希だ。近郊のチャンピオンズリトリートGCで行われた予選2日間は、ショットがいま一つで通算イーブンパー。決勝ラウンドには駒を進めたものの、首位のローズ・チャン(米)とは13打差14位タイだった。
それでも、予選を通過した者も落ちた者もオーガスタナショナルで練習できる1日を使い、ショットを必死に調整。現地時間1日の最終日、夢の舞台でティーオフした。
2日後に迫るマスターズウイークのパトロンの数ほどではないが、それでも大勢のギャラリーが入った大舞台。アマチュアの試合としては異例の状況の中、馬場は楽しそうにプレーした。
10番からスタートすると、11番ですぐにバーディー奪取。13番、16番、18番とバーディーを重ねて通算4アンダー。リーダーボードに名前が上がってくるところまでスコアを伸ばす。
「オーガスタナショナルGCをラウンドできるのは一生に一度かもしれないので、ホントにビビらず思い切ってピンを狙って」と、挑んだ甲斐あっての快進撃。練習日のショット修正が効いたかに見えたが、折り返したあたりから、コースの難しさに苦しんだ。
3番ボギーの後、4番のパー3ではダブルボギー。ここで悪天候のためにプレーは中断を余儀なくされた。流れが悪い中での中断をどう生かすか。プロでもアマチュアでも、米国ではごく当たり前の中断だが、慣れない日本勢はどう過ごすか戸惑うことが多いのだが、馬場はこの時間を思い切って過ごした。ひたすら爆睡したのだ。
結果的に3時間20分の中断後、プレーを再開した馬場は6番もボギー。それでも、あきらめることはなかった。7番、8番と連続バーディーで息を吹き返し、通算2アンダーでフィニッシュ。優勝スコアには7打及ばなかったが、5位タイと日本勢最上位で大会を終えた。
マスターズの優勝争いで、世界中のゴルフファンに知られる16番でのバーディーにはご満悦。
「マスターズでもあるピン位置で、右の傾斜を使ってうまく寄せてバーディーが取れたのはよかったです」と、笑顔がはじける。
この大会で得たものについては「やっぱり最後まであきらめないことの大切さというか……。(ラウンド)後半の前半のほうはホントに全然うまくいかなかったので『もうダメかなぁ』みたいな気持ちが結構出ていたんですけど。でも最後まであきらめずにやっていたらバーディーが取れたので、やっぱりあきらめないのが大切だなぁと思いました」と口にした。
全米アマ優勝の資格で、全米女子オープン、全英女子オープンなどのメジャー出場も決まっているだけに、大切なカギを握る忍耐という大きな収穫を得て、さらなる飛躍を誓った。
日本勢は、同じイーブンパーで馬場、荒木優奈、六車日那乃の3名が決勝ラウンドに進出。馬場と同じ17歳の荒木は、1つスコアを落として通算1オーバー9位タイに入った。「総合的にめっちゃ楽しかったというのが一番です。お客さんがいっぱいいて、すごくいいショットを打っていたらたくさん大きい感性とか口笛とか。めっちゃ楽しかったです。コースマネジメントの重要性を改めて実感しました」。この大会ならではの雰囲気を満喫し、大きな経験値を得た。
六車は通算5アンダー22位タイ。第2回大会優勝の梶谷翼ら、残る7人の日本勢は予選落ちしている。
試合は世界アマチュアランキング1位のローズ・チャン(米)が、通算9アンダーで並んだジェニー・ベ(米)をプレーオフで下して優勝している。
2005年4月25日生まれ、東京都出身。父親の影響で5歳からゴルフを始める。東京都ジュニアゴルフ選手権(18年)、関東ジュニアゴルフ選手権(19年)、東京都女子アマチュアゴルフ選手権(21年)などで優勝。175センチの長身で、270ヤードのドライバー飛距離が武器。昨年は全米女子オープンに予選会を経て出場し、決勝ラウンドに進んで49位。8月の全米女子アマでは、日本勢として85年の服部道子以来、37年ぶりとなる優勝を手にした。
2023-04-03 05:15:50Z
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