中国で新型コロナウイルスを徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策への市民の反発が広がり、30年余り前の天安門事件につながった民主化要求デモ以来の大規模な抗議活動の一つに発展している。共産党のトップとして異例の3期目入りを果たしたばかりの習近平総書記(国家主席)の対応が、中国の行方を左右する可能性もある。
首都北京から中国最西端のカシュガルに至るまで、ロックダウン(都市封鎖)と大規模な集団検査に不満を募らせた多くの住民たちがここ数日、政策の変更を求め街頭に繰り出した。
今年に入り2カ月に及ぶロックダウンが敷かれた上海では、長期刑に処される恐れがあるにもかかわらず、市民の中から習氏の退陣を求める声も上がった。
中国で「ゼロコロナ」へ抗議拡大-SNS上では新手の投稿で怒り表明
党総書記を2期10年務め、10月の党大会を経て3期目に入った習氏は、恐らく政策を巡る最大のジレンマに直面している。
ワクチン接種がそれほど進んでいない中国で急にゼロコロナ政策をやめれば、死者数が急増する可能性があり、そうなれば中国のコロナ対策は欧米より優れていると主張してきた習氏の面目がつぶれることになる。一方で、抗議活動を強硬に抑え込もうとすれば、すでに全国的な広がりを見せている反発に火を注ぐことにもなりかねない。
中国各地で住民や学生が抗議、ツイッターの動画が拡散する怒りと不満
新たな党最高指導部を側近で固めた習氏を非難する者はほとんどいない。習氏が自身に次ぐ党のナンバー2に起用したのは上海のロックダウンを統括した当時の上海トップ、李強氏だ。
中国への赴任経験もある元英外交官チャールズ・パートン氏は「何が起きようと、習氏3期目の始まりから輝きを奪うことになる」と指摘。今は英国王立防衛安全保障研究所( RUSI)の研究員を務める同氏は「もし習氏が姿勢を変えず力に訴え、それがうまくいかなければ、間違いを犯しやすい人物と捉えられ、自身と党への信頼を壊すだろう。経済への悪影響が続くにつれ、そうなっていく」と語った。
中国資産は28日の取引で売られた。香港上場の本土株で構成するハンセン中国企業株(H株)指数は1.7%安で引けた。一時は4.5%安となる場面もあった。テクノロジー銘柄と不動産株の下げが目立った。
本土市場では人民元が対ドルで一時1.1%下落。本土株の指標CSI300指数は1.1%安で終了した。
原題: Xi Has Few Good Options to End Historic China Covid Protests (1)、Onshore Yuan Slides Most Since May as Covid-19 Protests Spread (抜粋)
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