ヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手（30）が、7回、今季61号の勝ち越し2ランを放った。

60号の大台到達から8試合ぶりの1発で、61年ロジャー・マリス（ヤンキース）のア・リーグのシーズン最多本塁打に並んだ。右打者ではリーグ最多を更新した。

MLBのシーズン最多本塁打は、01年バリー・ボンズ（ジャイアンツ）の73本。マグワイア（カージナルス）、ソーサ（カブス）も同時期に62本以上を記録しているが、90年代から00年代初頭は筋肉増強作用のあるステロイド使用がまん延しており、マリスの記録を重視する見方も多い。

マリスは61年にベーブ・ルースの60号を抜き、当時のア・リーグ記録を更新。だが、ルースが154試合制で60本を放ったのに対し、162試合目だった。当時のコミッショナーは「154試合目までに61本を打たなければルースの記録を更新したとは認めない。もし、それ以降に達成した場合、ルースの記録は残り、新記録は注釈付きとなる」という裁定を下した。大リーグが公式に最多本塁打記録と認定したのは、マリスの死去から6年たった91年だった。

神格化されたルースの記録を抜き、疎まれることも多かったマリスと違い、ジャッジは大歓声の中で61号に到達した。打点、打率と合わせた打撃3冠にも挑戦中で、エンゼルス大谷翔平投手（28）とのMVP争いが注目を集めている。

◆MLBのシーズン本塁打ランキング

73本　01年ボンズ（ジャイアンツ）

70本　98年マグワイア（カージナルス）

66本　98年ソーサ（カブス）

65本　99年マグワイア（カージナルス）

64本　01年ソーサ（カブス）

63本　99年ソーサ（カブス）

61本　61年マリス（ヤンキース）

61本　2022年ジャッジ（ヤンキース）

60本　1927年ルース（ヤンキース）