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Monday, August 22, 2022

独加首脳会談、LNG欧州輸出「あらゆる選択肢検討」(写真=ロイター) - 日本経済新聞

【ニューヨーク=大島有美子、ベルリン=南毅郎】カナダのトルドー首相とドイツのショルツ首相が22日、カナダ東部モントリオールで会談した。ロシアによるウクライナ侵攻で、欧州では冬のエネルギー不足が懸念される。トルドー氏は会談後の記者会見で、カナダで産出する液化天然ガス(LNG)の欧州への輸出について「我々ができることをする」と述べ、前向きな姿勢を示した。

トルドー氏は「短期的に世界のエネルギー供給網に貢献するために我々ができることをする」と述べた。カナダは天然ガスの生産量で世界第6位。現状ではカナダから欧州へ直接輸出するルートがない。LNGの欧州への輸出ついて「カナダとドイツの産業界の間で話し合っている事柄だ」と述べた。直近のエネルギー不足解決のため「あらゆる選択肢を検討する」と加えた。輸出に関する具体的な時期や手段は明らかにしなかった。

気候変動対応が長期的に重要課題との認識でも一致し、23日には水素燃料に関する協定を結ぶ予定だ。ドイツのショルツ首相は「カナダはグリーンな水素を多くの先進国に提供する重要な国であり、我々は喜んでその過程に加わる」と述べた。

ロシアのウクライナ侵攻が始まって半年がたつことをふまえ、ロシアに対して断固とした姿勢で臨むことや、ウクライナへの金銭面や軍事物資など支援継続の必要性も確認した。「ウクライナの人々が必要とする物を必要な限り支援する」(トルドー氏)と強調した。ウクライナの復興支援についてショルツ氏は「国際社会が適切な時期に正しい道筋をつけなければならない」と述べた。欧州連合(EU)と連携し、復興会議を推進する考えも表明した。

ロシアは欧州へのエネルギー供給を政治的な駆け引きの材料としている節がある。ロシア国営ガスプロムはドイツにつながる主要パイプライン「ノルドストリーム」を通じたガス供給量を従来計画から8割減らした。ロシア側は独重電大手シーメンス・エナジーがカナダの工場で修理したタービンの返却がカナダの対ロ制裁によって遅れたことを理由に挙げるが、ショルツ氏は反論している。

カナダは修理中だったタービンについて対ロ制裁の例外と認め、既にドイツに送った。記者会見でショルツ氏は「我々はともに立ち上がり、プーチン氏の仕掛けるわなに入らないようにする。カナダの支援に感謝する」と述べた。

ウクライナ政府高官はカナダの決定に反発しており、タービン返却の決定を取り消すべきだと主張している。トルドー氏は「難しい決断だった。タービンの返却は、ロシアが誰かに責任転嫁する口実を与えないためだ」と強調した。

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