今季3度目のサヨナラ負けで3連敗で開幕からビジター11連敗と屈辱が続く。阪神矢野監督は打線について問われて「うーん、まぁねぇ…。何とも言いようが難しいけど…」と苦い表情を浮かべた。「普通にやっても普通に点が入るっていう感じでは現状ないんでね。そういうふうに、何とかやろうとはしているんだけどね」。敗因は明白。つながらない打線だ。

貧打が続く。1回2死三塁で大山が三ゴロ。3回も2死三塁で佐藤輝が中飛。4回2死一、三塁の好機も先制点を奪えなかった。8回2死一、二塁で近本がエスコバーの151キロ直球に投ゴロ。14日中日戦から2番佐藤輝、3番近本が並ぶ新オーダーが続くが、打開策にはならない。特にこの日は開幕から好調だった近本が4打数無安打とブレーキになった。

「誰かこう、1人だけでは変えられないと思うんだけど、タカヒロ(熊谷)なんかはそういうところでは、追い込まれた中でもいいヒットを打った。そういうやつが出てくれたら」。指揮官は途中出場から延長10回に右前打を放った熊谷を例に挙げ、ナインに貪欲さを求めた。今季ワーストの借金15。早ければ29日にも自力Vが消滅する。もうなりふり構ってはいられない。【桝井聡】

▼阪神は最短で、今季30試合目の今月29日に自力優勝の可能性が消滅する。21日から阪神が8連敗、巨人が8連勝すると仮定。30日以降に(1)阪神=残り113試合に全勝しても、最終成績は116勝26敗1分けで勝率8割1分7厘。(2)巨人=阪神戦残り18試合に全敗しても、他球団との95試合に全勝すれば、118勝25敗で勝率8割2分5厘となり、阪神を上回るため。また29日までに2球団に△があっても、29日に阪神の自力Vが消える場合もある。

▼2リーグ分立後の最速での自力V消滅は、55年大映(消滅)の27試合目。このときのパ・リーグは8球団あった。現行の6球団によるリーグ戦に限ると、18年パの楽天31試合目を超え、阪神が球界最速となる恐れがある。

○…井上ヘッドコーチが、無得点に終わった打線の奮起を促した。DeNA先発の東を筆頭に7安打を放ちながらも0点で終わっただけに「ピッチャーが頑張ってる中で点数が取れない。勝つ要素がないわけだよね。みんなそれぞれが『何とか』っていう気持ちがあるが故に選手たちも萎縮というか、思い切りが少ないのかな。そこは促していくしかない」と話した。

○…高山が代打で2試合連続安打と存在感を示した。8回1死から代打で登場。2球で追い込まれるも、1ボールを挟み4球目、明大の4学年後輩DeNA伊勢の149キロ直球を左前へはじき返し、チャンスをつくった。スタメン出場した16日巨人戦では3打数無安打に終わったが、途中出場でアピールを継続。打率を3割に乗せた。