夢が、現実味を帯びてきた。楽天がヤンキースからFAとなった田中将大投手(32)の獲得調査を本格化させることが16日、分かった。

ヤ軍は大物FA内野手のDJ・ラメーヒュー(32)と再契約、サイ・ヤング賞投手の先発右腕コリー・クルバー投手(34=レンジャーズFA)を獲得するなど大補強を敢行。田中獲得資金はなくなったとみられ、退団が濃厚となった。今季は東日本大震災から10年の節目を迎える。田中の日本復帰に備え、楽天側も環境整備に尽力する。

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マー君が7年間着続けたピンストライプを脱ぐ可能性が高まった。比例して「日本復帰」が現実味を帯びてきた。この日、ヤンキースが大型契約を立て続けにまとめたことで、MLB公式サイトは「ヤンキースの先発補強はこれで終了した可能性がある」と報じた。ただ一方、このヤ軍の動きで楽天の夢は広がりを見せた。

古巣楽天は13年オフのメジャー移籍後も田中とコミュニケーションを継続してきた。7年契約が終了した今オフも右腕の動静を注視。米市場の動きの遅さ、日本球界のキャンプインが2月1日と約2週間後に迫っていることも踏まえ、球団は今後、田中本人の意思確認を進めるとみられる。18年9月に石井GMが就任するなど、田中在籍時とはチーム状況も変化。生活環境も含め、獲得を念頭に双方の状況整理に努める。

復帰となればヤ軍の同僚だった黒田博樹氏にも重なる。メジャーで10年から5年連続2桁勝利と結果を残し続ける中、14年、米球団からの高額オファーを断り、ヤ軍から古巣広島へ移籍。2年連続で2桁勝利を挙げ、16年にはチームを25年ぶりのリーグ優勝に導いた。田中は、その背中に薫陶を受けた。

今年は東日本大震災から10年。田中は13年に24連勝を果たし、リーグ優勝、日本一に貢献。復興に進む東北へ希望と夢を与えた。あれから8年。節目の年にイーグルスのユニホームで躍動する姿に期待は高まる。