<ヤクルト6-0阪神>◇30日◇神宮
阪神藤浪晋太郎投手(26)が今季2度目の1軍マウンドで、好投を続けるも、初白星はならなかった。7回8安打4失点(自責1)。試合後は「結果として負けてるんで、悪くはなかったと思いますけど、やっぱり7回のああいう場面で粘れてこそだと思うんで。うーん…良かったですけど、やっぱり気持ちのいいピッチングではないです」と話した。
1点ビハインドの7回2死一、三塁。坂口の打球は藤浪の前に飛び、藤浪は倒れ込みながら懸命に一塁へ送球するも間に合わず。後頭部を地面に打ちつけ、右手も痛そうに揺らした。1度はベンチに下がったが続投。球場中から拍手が送られた。しかし、2死一、三塁で詰まらせた遊撃後方への飛球に3人の野手が交錯。2人の生還を許し、この回大きな3点を失った。
8番西田以外、左打者が8人並んだヤクルト打線。初回は力強い直球を次々に投げ込んだ。3番青木にストレートの四球を与えたが、4番村上を154キロ直球で空振り三振。この回20球のうち、変化球は村上へのフォーク1球だけだった。2回は、先頭の山崎に右前打を許し、1死二塁から、吉田成に左翼線へ先制の適時二塁打を浴びた。外に抜けた直球に、捕手の梅野が目いっぱい手を伸ばして捕球する場面もあった。
3回からは一転、変化球を多投。先頭の上田からスライダーで見逃し三振を奪うと、2死から村上をフォークで空振り三振。前日29日に逆転2ランを放った主砲を2打席連続三振に抑えた。6回、先頭の上田に右翼線二塁打を浴びたピンチでは、続く青木からフォークで空振り三振を奪い、村上はフォークで詰まらせ二ゴロ。最後は山崎を148キロフォークで空を切らせた。渾身(こんしん)の主軸斬りに、両腕でガッツポーズ。「苦しい状況でストレート1本にならないように、投球に幅を持たせられるように改善していきたい」という意気込み通り、切れ味抜群の変化球を効果的に使った。
試合後、矢野監督は藤浪の投球について「特に3回以降、素晴らしい投球だった。勝てる中身の素晴らしい投球だったし、それが一番の収穫かな。前回よりも今日の方が良かったと思うし。そういうところでは自信にしてもらって。ちょっとバッター陣も点を取れていないし、守備も足を引っ張っちゃったので。次回はそういうところで何とか勝たせてやりたいね」。次回登板での復活星に期待した。
今季初登板となった23日広島戦(甲子園)では好投を続けるも、6回に逆転満塁弾を浴びた。復活の兆しを確かに見せ、この日は670日ぶりの白星をかけたマウンドだった。28、29日と2日連続でブルペン投球を行い、万全の状態に整えていた。
この日も悔しい投球となったが、毎回の10三振を奪い、四球はわずか1つ。確実に白星に近づいている。【磯綾乃】
2020-07-30 12:52:33Z
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