3月14日に大阪市内で複数の男女が集う会食に参加し、新型コロナウイルスに感染した阪神・藤浪晋太郎投手(26)、伊藤隼太外野手(30)、長坂拳弥捕手(25)の3選手が23日、兵庫県西宮市の球団事務所で会見を開き「軽率だった」と謝罪した。矢野監督やナインにも頭を下げ、本人たちにとってはようやく復帰への一歩を踏み出した形だが、NPB1号の感染を出した影響はいまだに尾を引いており、状況は“四面楚歌”だ。(山戸英州)
「振り返っても、当時そういう(チーム内で感染者が増える)認識はなかったですし(会食の参加は)非常に軽率だったと思います」
7日退院し自宅待機していた藤浪は、初めて公の場に姿を見せ謝罪。「やはり自分の認識が甘くて、自分が(コロナウイルスに感染)なるなんて思わないで行動した」と続けた。
藤浪が感染を疑ったのは先月下旬、嗅覚の異常を訴えたことだった。その後、26日に感染を調べるPCR検査を受けて陽性が判明。以降、コロナウイルス感染独特の症状として世間に知られたが、これには「結果としてそういうふうにつながったというのならいいですけど…」と神妙な表情は変わらなかった。
コロナ禍のなか、球団は外出禁止令を出さず、あくまで個々の判断に委ねていたが、これがアダとなった。その結果、チームは約3週間にわたり完全にストップ、練習も満足にできない状況が続いた今回の場合、あくまで「防げた」感染だけにチーム関係者の怒りはいまだにすさまじい。
チーム内からは「人がこれだけ亡くなっているし、下手すればわれわれも巻き込まれていたかもしれない。許されない行為だ」といった厳しい声が続出。また、自主練習再開初日(15日)に、チーム最年長の福留が「甚大なご迷惑をおかけした、申し訳なかった」と頭を下げたことにも「悪いのはドメさんじゃないでしょ」と冷ややかな視線が向けられている。
3人は24日から自主練習に参加する予定。これにも「どんな顔をして参加するのか。ドメさんに合わす顔はないでしょうね…」とピリピリムードだ。
一方で、12球団最大ともいわれるタニマチ、支援者の多さで知られる特殊な球団だけに「食事会を断るのも一苦労する場合もある。藤浪もこれまでの付き合いから、断るに断れない状況だったこともあるかもしれない」と同情の声があるのも事実。球団OBも「あちらの宴、こちらの会合に何でもかんでも行ったらダメ。これという人を決めないと…」と自制を求める。
本業ではプロ入り3年間は2ケタ勝利を挙げるなど申し分ない成績だったが、その後ふがいない成績が続いている。
ポテンシャルの高さを買ってパ・リーグ全球団からトレードの打診があったものの、球団側は首を縦に振らなかった。仮にも決断していれば、エースや主軸級との交換も実現する可能性もあったが、今となっては素行面で評価はガタ落ち。「今後、その流れになっても同じとはいかないだろう」(球界関係者)と買いたたかれてしまうのは必至だ。
もっとも、昨秋と今春のキャンプでは矢野監督の人脈で中日OBの山本昌氏を臨時コーチとして招き、右腕の再生にも力を注いだ。藤浪本人も「もう一度!」という思いが強いのはいうまでもない。
前出の関係者も「あらゆる手段を尽くして球団も藤浪の復活に期待をかけていたなかでの今回の一件で、もはやプロとして大原則の“結果”を出すしかなくなった。火事場のバカ力ではないが、追い込まれたなかでどれだけ実力を発揮できるか。ある意味、見ものだね」とうなずく。
藤浪は「プレー、結果で取り返せるように頑張るというのが一番大きいと思う。しっかり取り返していけるように頑張っていきたい」と誓ったが、もはや細かいことは気にせず、開き直るしか道はない。
プロ人生最大のピンチを招いた右腕はこの状況をどう切り抜けるのだろうか。
2020-04-24 07:56:00Z
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