◆JERA セ・リーグ ヤクルト2―0広島(15日・松山)
ヤクルトのドラフト2位・松本健吾投手(25)が3安打10奪三振で、球団新人では1952年の小山恒三(当時国鉄)以来、72年ぶり2人目のプロ初登板初完封勝利を挙げた。2ケタKを奪い、無四球で記録したのはプロ野球初の快挙となった。
9回2死。代打・松山を投ゴロに仕留めて両手を突き上げて喜んだ。セ・リーグ新人一番星をつかんだ右腕は、「(完封は)全くイメージしていなかった。最初から全力でいって、後は先輩方につなぐと思って投げていた。気づいたら9回。最初から全力でいった結果」と、大粒の汗を拭った。
東海大菅生3年だった17年のえひめ国体・広陵戦で負けて以来のマウンド。「新人なのでチームに勢いを持ってこられる投球を」。140キロ台後半の直球とカットボール、スプリットに加えて110キロ台のカーブをアクセントに3回2死以降は完全投球。女房役・中村の配球に何度も首を振る我の強さも生きた。1―0の8回には同学年の村上から通算200号となる9号ソロで援護点をもらい、精神的にも余裕が生まれた。
3月13日のDeNAとのオープン戦(横浜)で1回7失点とメッタ打ち。2軍降格が決まった。その夜は悔しさのあまり朝方まで寝られず。「(試合後の)コメントは『いい経験になった』みたいに、格好つけて言っていたんですけど、全然そういうふうには思っていなくて。悔しくてたまらなかった」。目を真っ赤にして映像を何度も見返した。「小手先じゃ通用しないというのを痛感した」。リリース時に最大の力がボールに込められるように試行錯誤を繰り返した。
記念球は都内から応援に駆けつけてくれた父・達夫さん(55)と母・明子さん(52)に贈る。「100点満点」だった118球を投げ抜き、心地良い疲労感に包まれていた。(長井 毅)
【記録メモ】新人の松本健(ヤ)が初登板完封勝利。初登板完封勝利は15年3月28日ヤクルト戦のジョンソン(広)以来30人目(セ11人目、パ10人、1リーグ9人)。新人では08年大場(ソ)以来23人目、セでは88年野村(大洋)以来7人目(1リーグ8人、パ8人)。球団では、国鉄時代の52年小山恒三以来2人目だ。
この日は10三振を奪い、与四死球はゼロ。初登板完封&2ケタ奪三振は、36年藤村(タイガース)、40年清水(南海)、87年近藤(中)に次いで4人目。2リーグ制後では近藤と2人目。初登板無四死球完封は、46年白木(セネタース)、88年野村、95年チェコ(広)、08年大場、15年ジョンソンに次いで6人目になるが、初登板で2ケタ奪三振&無四死球完封はプロ野球初になる。
ちなみに、初登板に関係なく、新人の2ケタ奪三振&無四死球完封は、20年8月14日対阪神戦の森下(広)以来11人目(球団初)。ルーキーが大仕事をやってのけた。(福山 智紀)
2024-05-15 20:38:23Z
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