巨人は26日、ルーグネッド・オドーア外野手(30)=前パドレス=が、退団することを発表した。オープン戦で打率1割7分6厘と低迷。本来の調子を取り戻すため、29日の阪神との開幕戦(東京D)のメンバーから外し、ファーム調整を提案したが、オドーアは拒否。米国に戻りたいと申し出があり、球団も本人の意向を尊重した。メジャー通算178発の大物助っ人として1月に加入したが、開幕前に退団する前代未聞の事態となった。
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オドーア電撃退団の裏で阿部監督の覚悟が見えた。ビザなどの関係でキャンプ途中合流となり、日本の投手に苦しんだが、当初から徐々に慣れてくれればいいとの考えを示していた。メジャーでの実績に敬意を表し、おとなしい性格の助っ人を気遣って笑顔で話しかけるなど、力を出しやすい環境づくりに努めてきた。
だが、速球に差し込まれ気味でオープン戦は最後まで苦戦。対照的に佐々木、丸、松原、梶谷、萩尾、浅野らが好調で外野争いは大激戦だった。右翼当確とみられていたオドーアを開幕後の“変身”に期待して使い続けるのか、現状をシビアに見極めるのか。新監督は特別扱いせず決断した。
吉村編成本部長が明かしたように、1軍確約や2軍降格なしなどの契約条項はなく、監督に従うよう説明していた。出場機会に飢えて日本行きを熱望していたオドーアだが、異国で体調の調整も苦労している様子だった。来日40日でまさかの2軍拒否、開幕前退団。球団が事前調査の段階でこの展開を予測するのは困難で、改めて助っ人補強の難しさを痛感した。
そんな中、競争を掲げる阿部監督の本気度はチーム内に伝わったはず。支配下の外国人野手はゼロになったがその分、他の選手にチャンスが広がった。(巨人担当キャップ・片岡 優帆)
2024-03-26 20:05:00Z
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