26日のドラフト会議で注目の「東都1部6人衆」を徹底解剖する。

2日前の24日時点で、広島が青学大・常広羽也斗投手(大分舞鶴)、西武が国学院大・武内夏暉投手(八幡南)の1位指名を公言。他にも東洋大・細野晴希投手(東亜学園)、亜大・草加勝投手(創志学園)、中大・西舘勇陽投手(花巻東)、青学大・下村海翔投手(九州国際大付)の4年生6投手が上位候補に挙がる。高い評判は耳にするものの、それぞれの特長は? 注目点は? マークし続けたスカウト陣の言葉から各選手を解説&比較する。【取材・構成=保坂淑子】

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細身の体で、キレイなフォームに質のいい真っすぐと変化球。青学大・常広羽也斗投手(大分舞鶴)を表現する際、スカウトから例えとしてよく名前が挙がったのが楽天岸だった。楽天部坂スカウトは「肩甲骨が柔らかく、体幹がしっかりして、体の捻転を使って投げられる。球持ちがいいのも、いい投手の条件。上から投げて指がかかっている。これは天性のもの。タイプ的にはウチの岸。球質は恐らく元阪神の藤川選手と似ているのではないか」と分析した。

1年時はただ速いだけだった。下半身を強化し、体のバランスを考え、体を開かなく修正。「以前は体の開きが早く、ユニホームの胸の文字が(正面から)早く見え、150キロの球も打者にとっては速く感じなかった」と同スカウト。現在は胸の文字はフィニッシュの時に打者にはやっと見える。中日正津スカウトは「胸骨が柔らかくしなやか。楽天岸も柔らかい。なかなかああやって投げられない」と話す。体のバランス、使い方。いずれも逸材と言っていい。

◆東都大学野球出身の主なプロ野球選手 数々の好投手を輩出している。大学選手権で完全試合を達成しているのが元中日監督の森繁和氏(駒大)。日本一に6度輝いている東洋大からは、松沼兄弟の博久氏と雅之氏。元ソフトバンクの大場翔太氏はシーズン115奪三振の記録を持つ。亜大出身では、阿波野秀幸氏や木佐貫洋氏。駒大は河原純一氏らがいる。現役の投手では、ヤクルト石川(青学大)、清水(国学院大)、ソフトバンク東浜(亜大)ら。東洋大で「3羽がらす」と呼ばれたDeNA上茶谷、ソフトバンク甲斐野、中日梅津もいる。

◆東都大学野球連盟 31年(昭6)春に中大、日大、専大、国学院大、東農大が5大学野球連盟を結成。その後、加盟校が増え35年春に東都大学野球連盟に改称。21大学で1~4部リーグに分かれてリーグ戦を行っていた。伝統校、強豪校が多い一方で、入れ替え戦のある激しさから「戦国東都」と言われていた。22年に帝京平成大が新規加盟。現在は22大学が加盟し、略称は「プレユニ22」となっている。