目次
■ はじめに
■ 1つの選択肢で2つのことを聞かない
■ 類似する選択肢を使わない
■ その他・排他選択肢を作る
■ おわりに
はじめに
アンケート調査をするために課題の整理や設問案の検討はしたものの、実際に配信する設問や選択肢をどのように作ればよいか分からない、ということはありませんか?
MMDLaboでは、実際にアンケートに流す設問や選択肢を「調査票」という資料にまとめていきます。
今回のコラムでは、調査票に記載する設問文や選択肢を作る際に、どのような点に注意するべきかについてご紹介します。
調査票を作成するにあたり、
「どうやって設問や選択肢を作ればいいの?」
「そもそも設問設計にルールなんてあるの?」
というような疑問をお持ちの方におすすめです。
今回のコラムは、調査票作成を学ぶための2択の問題を3問ご用意いたしました。設問設計において適切なのはどちらか、考えながら読み進めていただけますと幸いです。
1つの選択肢で2つのことを聞かない
まず、こちらの設問です。①と②の設問、どちらが適切でしょうか?
正解は②です。
①は選択肢に「料金が安く、プランが豊富なこと」とありますが、こちらが不適切です。
例えば、「料金が安いことに満足している人」が必ずしも「プランが豊富なこと」に満足しているとは限りません。逆も然りで、「プランが豊富なことに満足している人」が必ずしも「料金が安いこと」に満足しているとは限らないのです。
このように選択肢に2つの意味が混ざっていると、どちらかだけに当てはまる人が回答するべきかどうか迷ってしまいます。1つの選択肢に1つの意味、にとどめておくことが重要です。
類似する選択肢を使わない
続いて、こちらの設問です。①と②の設問、どちらが適切でしょうか?
正解は①です。
②の選択肢に「料金が安いから」と「料金が他社よりも安いから」という、類似する選択肢が含まれている点が不適切です。
「料金が安いから」と「料金が他社よりも安いから」のどちらも、サービスAの価格の安さを述べている選択肢です。しかし、「料金が他社よりも安いから」には「料金が安いから」の選択肢と同じ意味が含まれているため、選択肢にダブりがあります。これらの選択肢が並んでしまうと、サービスAの価格を魅力に感じている回答者は、どちらの選択肢を選ぶべきか迷ってしまいます。
このようなことが起こらないよう、選択肢を作成する際のルールとして「MECE(ミーシー)」があります。
※MECEとは、各設問の選択肢に【抜け漏れ、ダブりをなくす】というルールです。回答者が選びそうな選択肢は網羅されているか、回答者が選択を迷うようなダブりのある選択肢はないかを確認し、選択肢を用意する必要があります。
その他・排他選択肢を作る
最後に、こちらの設問です。①の設問と②の設問、どちらが適切でしょうか?
正解は②です。
選択肢に「その他(自由回答)」と「特になし」が必要かどうか、という問題でした。
まず、「その他(自由回答)」の選択肢ですが、この設問では「サービスAのメリット」を聴取しているので、回答者によって無限に回答が存在します。選択肢をどんなに増やしたとしても、回答者全員の意見を反映することはできません。そこで「その他(自由回答)」の選択肢を設けることで、選択肢にない意見を吸い上げることができます。
この枠がないと、本来吸い上げられたはずの意見が吸い上げられなくなってしまうので、選択肢を出し切れない設問には「その他(自由回答)」を用意するのが適切です。
また、サービスAに対しメリットを特に感じていない方がいる可能性も加味する必要があります。その方が選択できるよう、「特になし」を用意します。
もし、こちらの設問が複数回答可(当てはまるものを全て選んでもらう形式)の場合は、「特になし」を選んだ方は他の選択肢を選べない設定にする必要があります。例えば、先ほどの設問で「特になし」と「料金」を選択している場合は矛盾回答になってしまうからです。
このような、他の選択肢を選べないようにする選択肢を「排他選択肢」と呼びます。
おわりに
いかがでしたか?細かなルールですが、間違えやすい点もあったかと思います。細かなところまで気を配って調査設計を行うことで、調査目的に沿った調査を実施することができます。
また、MMDLaboで使用している調査票についてご紹介した資料もございます。「データをダウンロードする」ボタンから、ぜひご覧ください。
※今回はMMDLaboで使用している調査票についての資料をPDFでご用意しています。
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調査を行うに至った背景やお悩みをヒアリングし、お客様の課題やご予算に沿った調査手法、内容をご提案させていただきます。
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適切な設問設計とは ~設問文・選択肢の基本的なルール~
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