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Thursday, March 17, 2022

不登校に「通信制高校」という新たな選択肢 1年以上通う高2女子は「ありのままを認めてくれる大人に出会えた」 | 鹿児島のニュース - 南日本新聞

記念写真を撮る卒業生と在校生

記念写真を撮る卒業生と在校生

 通信制高校・第一学院(茨城県)の鹿児島キャンパスの卒業式が5日開かれた。会場は鹿児島市の商業施設の一室。かつて通った全日制高校の制服や私服を着た13人が、卒業証書を受け取り笑顔を見せた。

 式は在校生の発案で壁に卒業生の似顔絵や思い出の写真を飾り、アットホームな雰囲気。約20人の保護者が見守り、涙ぐむ姿も見られた。

 鹿児島キャンパスは、鹿児島市の「進学塾MUGEN」がサポート校として運営する。約80人収容できるビルの一室に、タブレット端末で授業動画を視聴したり学習アプリを使用したりするブースや自習机があり約40人が通う。

 決められた時間に学校に通う全日制と違い、通信制は遠隔授業や面接指導、レポート提出で卒業資格を得る。しかし同キャンパスは「自分の意思で家を出て人と関わりながら学んでほしい」と通学も重視。週2日と5日の通学コースを設け、常時5、6人の職員が学習の質問や悩み相談に対応する。

 1年以上通う2年生女子は、学業不振が原因で全日制の高校に行けなくなった。登校するよう促す親と険悪になる時期もあったが、話し合いを重ね、通信制に移る道を選んだ。本人は「ここに通うようになり、ありのままの自分を認めてくれる大人に出会えた。登校時間も自由で自分に合う」と表情は明るい。

 国の調査によると、2020年度、高校生千人当たりの不登校生徒数は鹿児島が24.3人、全国で2番目に多い。県教育委員会は「退学や転校をせず進級・進学できるように教員らが粘り強く指導していることが一因」とみる。一方で、新たな進路を選択しようとする不登校生の受け皿として通信制の存在感が増しているのも実情だ。

 全国の通信制高校の生徒は21年度、初めて21万人を突破した。少子化で全日制が減り続けるのとは対照的だ。全国に生徒を抱える高校も増え、鹿児島県内の通信制4校のうち2校が広域に展開している。

 需要が高まる半面、全国では就学支援金を不正受給したりアルバイトを単位認定したり、一部でずさんな運営が発覚。国は監督強化など通信制の制度を抜本的に見直す方針を示している。第一学院鹿児島キャンパスの小牧聖代表は「通信制が選択肢の一つとして前向きに選べるよう安心安全な運営を心掛けていきたい」と話した。

 (連載「不登校は今 鹿児島リポート」より)

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