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Wednesday, August 25, 2021

緊急事態、近畿地方飲み込む 「ほかに選択肢ない」…医療逼迫に危機感 - SankeiBiz

 新型コロナウイルスの感染「第5波」が大都市以外も飲み込み始めた。25日、政府は新型コロナ特別措置法に基づく緊急事態宣言に8道県の追加を決定。感染力の強いインド由来のデルタ株が猛威を振るい、大都市以外でも新規感染者が増加し、病床使用率も上昇。宣言の対象に追加される地域からは「ほかに選択肢はない」との声が漏れる。

 病床使用率90%超

 「蔓延(まんえん)防止等重点措置の効果が十分ではなかった以上、『最終手段』として緊急事態宣言の発令はやむを得ない」。滋賀県に緊急事態宣言の発令が決まった25日、同県幹部はこう漏らした。

 感染が急拡大している同県では、25日時点の全病床(380床)の使用率が92・9%に上昇。自宅療養者は17日が548人だったのが1週間後の24日には約2・5倍の1366人となるなど、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)度合いが強まっている。

 同県は今月6日、独自に定める感染警戒基準を最も厳しい「ステージ4(特別警戒)」に引き上げ、医療体制の非常事態を宣言。8日に重点措置が適用されると、県内全13市の飲食店に営業時間を午後8時までとし、酒類の提供を停止するよう要請するなどした。

 だが、状況は好転せず。18日以降は連日200人台の感染者が確認されると、24日には235人と過去最多を更新。直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者は同日時点で101・7人と、政府の対策分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の目安「25人以上」を大きく上回る。

 同県は、すでに宣言が発令されている大阪、京都、兵庫の3府県と、宣言発令を要請した愛知、岐阜、三重の東海3県に挟まれている。「宣言発令地域に挟まれることで県内への人流が加速し、さらに感染が拡大するのでは」。こうした地理的懸念もあり、24日、宣言を要請した。

 感染拡大止まらず

 宣言の対象とならなかった地域も警戒が高まる。

 「さらに感染が拡大すれば、国との(適用の)協議も検討せざるを得ない」。こう打ち明けるのは和歌山県の担当者だ。

 同県では今月20日に新規感染者が90人の過去最多となると、24日も90人、25日は85人を確認した。県によると、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は24日時点で過去最多の59・4人となった。

 これまで県は、全国的にも珍しい、新型コロナ患者の「原則全員入院」方針を堅持してきたが、24日、病床が逼迫しているとして、ホテルを活用した宿泊療養を9月1日に開始すると発表した。感染状況次第では利用者の対象を拡大するという。仁坂吉伸知事は24日の会見で「全員入院を堅持してきたが、難しい状況になってきた」と危機感をあらわにした。

 奈良県も、新規感染者が24日に過去最多の223人に上るなど、感染拡大に歯止めがかかっていない。

 こうした中、奈良市と生駒市は県に対し、緊急事態宣言の発令を国に要請するよう求める要望書を提出した。だが、荒井正吾知事は25日の定例記者会見で「奈良では効果が期待できない。(国が)宣言を何度も繰り返して効果が薄れている」と要請しない考えを強調、思惑は平行線をたどっている。

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