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Monday, August 23, 2021

衆院解散、菅首相の選択肢狭まる…横浜市長選惨敗で求心力低下 任期満了案も浮上 - 東京新聞

菅義偉首相

菅義偉首相

 お膝元の横浜市長選で全面支援した候補が大敗し、求心力低下に拍車が掛かる菅義偉首相。衆院議員の任期は10月21日に迫り、解散に打って出る時期の選択肢は自身も認めるように「だんだん少なくなってきている」のが実情だ。新型コロナウイルスの感染拡大局面でもあり、過去1例しかない任期満了選挙の可能性も浮上する。(生島章弘)

◆総裁選前解散には高いハードル

 首相は23日、横浜市長選を受けて官邸で記者団の質問に答え、自民党総裁選への対応に関し「出馬させていただくのは当然という考えに変わりはない」と重ねて強調した。

 もともと首相は、総裁任期の9月末までに衆院を解散する意向だった。衆院選で勝利し、総裁再選を無投票で決めるシナリオだが、新型コロナ緊急事態宣言の期限延長などで既に歯車は狂っている。

 慣例上、衆院を解散するなら臨時国会の召集が必要になるが、自民党幹部は緊急事態宣言などが発令されている9月12日までと、17日告示・29日投開票が見込まれる総裁選期間中の召集には否定的。結果として、総裁選前の召集と解散は、宣言解除を前提に13~16日に絞られる。

 自民党は横浜市長選だけでなく、4月の衆参3選挙や前後にあった千葉などの県知事選も敗北。7月の東京都議選でも低迷し、党内では首相は「選挙の顔」として不適格との声が高まっている。

 同時に、総裁選を実施した上で衆院選に臨むべきだという意見が拡大している。内閣支持率が低迷する中、候補者同士の論戦を通じ「党として幅広い選択肢を示す」(岸田文雄前政調会長)ことで、政権浮揚を図る狙いからだ。首相が党内世論に耳を貸さず、総裁選前に解散に踏み切る政治的なハードルは高い。

◆1976年三木内閣以来の珍事、現実味も

 総裁選後の解散なら、最速で9月30日になる。この場合も日程上は厳しい。理論上は任期をまたいだ衆院選も可能だが、過去に例がなく「首相は考えていないだろう」(自民党幹部)との見方が強い。

 任期満了前の最後の日曜に投票日を設定すれば、日程は10月5日公示、17日投開票だ。現行憲法下で、解散から投開票までの期間は、第1次中曽根内閣だった1983年の20日間が最短。総務省や自治体の選挙事務を考慮すると、9月30日の解散だと間に合わない可能性が高い。仮に首相が総裁選で敗北し、新総裁が誕生すれば、国会で首相指名選挙を行うため解散時期はさらにずれ込む。

 そこで浮上するのは、1976年の三木内閣以来となる任期満了による衆院選。公職選挙法は、満了日の前の30日以内に行うと定め、日程は国会を召集しなくても閣議決定できる。「約1カ月前には日程を公表しないと準備が追いつかない」(政権幹部)ため、あらかじめ9月中旬ごろに決めておくことになる。与党幹部は「今の状況では解散は厳しい」と指摘する。

 国会が開会中なら、任期満了が迫っても選挙は遅れる。10月21日まで開いた場合、投開票日にできる最も遅い日曜は、解散しなければ11月14日、解散すれば28日。任期をまたいだ初の衆院選になる。

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