後輩桜花賞馬が絶対女王を倒した。東京競馬5週連続G1シリーズを締めくくる春のマイル王決定戦「第70回安田記念」が7日、G1ホース10頭が集う豪華メンバーで行われ、3番人気グランアレグリア(牝4=藤沢和)が中団から抜け出して2馬身半差の完勝。19年桜花賞に続くG1・2勝目を手にした。史上初の芝G1・8勝目の偉業を懸け、単勝1・3倍の圧倒的1番人気に支持されたアーモンドアイ(牝5=国枝)は出遅れた末にいつもの切れが影を潜め2着に敗れた。
痛みか、喜びか。グランアレグリアの鞍上・池添の目にうっすら涙が浮かぶ。右目は真っ青に腫れていた。「3角で前の馬が蹴り上げた芝の塊が顔面に直撃して…。醜い顔ですみません」。馬を落ち着かせるため前に馬を置いたからこその名誉の負傷。池添は「もう痛くない。喜びが勝ってます」と笑顔で会見場に現れた。
好スタートから中団をキープ。アーモンドアイの前。理想の位置取りだ。唯一の誤算は3角での“負傷”。「正直、前が見えづらかった。脳振とうみたいになって意識も飛びかけた」。狭まる視界の中、相棒をスムーズに外へエスコート。残り2Fで敢然と抜け出した。「少し早いかと思ったけど手応えが良かったので自信を持っていった。あとは無我夢中に追っただけ」。残り1F。アーモンドとの差は3馬身。その差は縮まらない。上がり3Fはメンバー最速の33秒7。強気のタクトで完封。殊勲 の男は 「顔面直撃はデビュー年以来。その時も勝った(笑い)。目が痛くて僕の力が抜けたから、馬が力を出し切れたのかも」とおどけた。
藤沢和師は歴代最多タイの安田記念3勝目。史上初の芝G1・8勝目を狙ったアーモンドアイの国枝師とは親友の間柄だ。「(国枝)栄ちゃんからは“おめでとう”と。思わず謝っちゃったよ」と複雑な表情。野平祐二厩舎の調教助手時代に手掛けた皇帝シンボリルドルフの記録を自ら“防衛”した形となったが、「彼女にはまだチャンスがある。抵抗はこれが最後かな。抜かれる覚悟はできています」とニヤリと笑った。
桜花賞馬の先輩アーモンドアイを真っ向勝負で打ち破り、最強マイラーの称号を手に入れた。馬名の意味はスペイン語で「大歓声」。秋には大観衆の声を一身に浴びるシーンが見られるに違いない。
◆グランアレグリア 父ディープインパクト 母タピッツフライ(母の父タピット)牝4歳 美浦・藤沢和厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績8戦5勝 総獲得賞金4億5324万3000円。
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2020-06-07 20:30:00Z
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