日本相撲協会の尾車事業部長(元大関琴風)は28日、新型コロナウイルスの感染拡大により開催の是非が検討されている春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)について「相撲協会だけ通常開催はありえない」との見解を示した。プロ野球などスポーツ界では自粛ムードが漂っている中で、同事業部長は「(以前よりも)収束というより状況は厳しくなっている。理事会で皆さんの意見を聞きたい。過去の事例がないから分からない」と話した。春場所後には3月29日から春巡業が始まる。「巡業までは話がいっていない。巡業部長も頭が痛いと思う」と、現時点で春巡業の開催可否については、協会内で議論が進んでいないことも明かした。

春場所は無観客での開催、中止も選択肢に含めて、3月1日の臨時理事会で最終決断が下される。

この日、大阪・堺市の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古を見守った尾車事業部長は「いつもと変わらず、みんな一生懸命やっていた」と、不安定な状況でも稽古に打ち込んでいる力士の姿に目を細めた。

同一門の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「お相撲さんはやることだけやればいい。稽古をすることによって免疫性も高まると思う。(場所開催については)理事会までに公言できることはない」とした。