日本時間7月7日(日)23時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第12戦イギリスGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動および、予想されるタイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。
スターティンググリッド
予選では、8番手ランス・ストロールと10番手フェルナンド・アロンソがそれぞれ別の理由で召喚されたが、ストロールは赤信号無視も酌量の余地が認められ戒告処分、アロンソの方のピット作業禁止ルール違反については珍しい「ノーペナ裁定」が下った。
よってグリッド変動要因は、今季5季目のパワーユニット開封によって最後尾スタートを命じられたピエール・ガスリー(アルピーヌ)のみだが、20番手最下位で早々にセッションを終えたため、現時点でグリッドに変更はない。
最前列に並ぶのは3年ぶりのフロントロウ独占を果たしたメルセデス勢で、ジョージ・ラッセルがポールポジション、ルイス・ハミルトンが2番グリッドに着く。
2列目には前戦オーストリアGPで接触したランド・ノリス(マクラーレン)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が並ぶ。
角田裕毅(RBフォーミュラ1)はポイント圏外7列目13番グリッドに着く。隣の14番グリッドに並ぶのは周冠宇(ザウバー)だ。
以下は暫定のスターティンググリッド。レース直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。予選順位との変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | G.ラッセル | メルセデス | 1(-) |
2 | L.ハミルトン | メルセデス | 2(-) |
3 | L.ノリス | マクラーレン | 3(-) |
4 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 4(-) |
5 | O.ピアストリ | マクラーレン | 5(-) |
6 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 6(-) |
7 | C.サインツ | フェラーリ | 7(-) |
8 | L.ストロール | アストンマーチン | 8(-) |
9 | A.アルボン | ウィリアムズ | 9(-) |
10 | F.アロンソ | アストンマーチン | 10(-) |
11 | C.ルクレール | フェラーリ | 11(-) |
12 | L.サージャント | ウィリアムズ | 12(-) |
13 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 13(-) |
14 | 周冠宇 | ザウバー | 14(-) |
15 | D.リカルド | RB ホンダRBPT | 15(-) |
16 | V.ボッタス | ザウバー | 16(-) |
17 | K.マグヌッセン | ハース | 17(-) |
18 | E.オコン | アルピーヌ | 18(-) |
19 | S.ペレス | レッドブル | 19(-) |
20 | P.ガスリー | アルピーヌ | 20(-) |
レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定されるスタートタイヤ戦略
最大の未知数は気紛れなブリティッシュウェザーだ。雨が降った場合と晴れた場合では当然、戦略が異なる。
FP3のように路面が終始ウェットコンディションとなれば、誰もが路面状況に応じてインターミディエイト・タイヤとフルウェット・タイヤを使い分け、2ストップ作戦を採ることが予想される。
ではドライレースの場合はどうだろうか。ピレリのシミュレーションによると、最速タイヤ・ストラテジーはC2(ミディアム)とC3(ソフト)を組み合わせた1ストッパーだ。
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「路面がドライであれば、理論上は1ストップが最速となる。この場合、3種類のコンパウンドすべてが選択肢に入ってくる」と説明する。
「ソフト/ミディアム戦略は、ソフトからハードに履き替えるよりも若干速い。一方、ソフトを使わない戦略は、より柔軟性が高い」
ソフトをスタートタイヤに選択した場合、グリップのアドバンテージを利用することができるが、一定周回後はタイヤマネジメントが必要になり、またグレイニングも懸念される。とは言え、ミディアムよりコンマ5秒近く速い点は魅力的だ。
シルバーストンはオーバーテイクが難しい。追い抜きのチャンスが豊富なのは開始直後の数ラップだ。ソフトスタートは検討に値する。
一方でミディアムを選んだ場合は、スティントを引っ張ることが可能になるため、降雨が予想される場合にアドバンテージを得ることができるかもしれない。また、セーフティーカーが導入された場合にも柔軟に対応できるチャンスが生まれる。
誰もが各コンパウンドを少なくとも1セットずつ残しているため、各チームの戦略を予想することは難しいが、ギャンブルに打って出る必要がある19番手のセルジオ・ペレス(レッドブル)はハードをスタートタイヤに選ぶかもしれない。
気になる天気は…
日曜の現地シルバーストンは終日、にわか雨の予報が出ており、レース中の降水確率は50~70%と比較的高い。
予選がそうであったように、強い風が吹き抜けるため、一旦、雨が上がれば路面が乾くのは早い。
雨に見舞われ大混乱となった2008年のF1イギリスGPウィナーであるハミルトンは「あらゆる経験が役立つのは間違いないし重要だ。雨が降っている時が、おそらく僕にとって最も快適なコンディションだ」とウェットレースへの期待を口にした。
2024-07-07 05:37:09Z
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