陸上・日本選手権第2日 ( 2024年6月28日 新潟・デンカビッグスワンスタジアム )
女子やり投げは、昨年の世界選手権女王の北口榛花(JAL)が62メートル87をマークし、2年ぶり4度目の頂点に立った。既にパリ五輪出場権を獲得しているが、本大会開幕1カ月前に拠点のチェコから帰国。夢舞台を前に、世界女王が日本一に返り咲いた。2位は61メートル41で武本紗栄(Team SSP)、3位は60メートル72で上田百寧(ゼンリン)。
再び上昇気流に乗った。今月22日にフィンランドで行われた競技会で2位となり、昨年7月から続いていた連勝は11でストップ。それでも、同大会で今季ベストの64メートル28をマークしており、状態自体は問題なし。国内最高タイトルを奪還した。
長い髪を後ろで左右お団子にした“ニューヘア”で登場した北口。注目の1投目は61メートル10と、まずまずの記録で全体2位につけ、少し首をかしげる姿も見られたが、すぐに笑顔でスタンドの声援に応えた。
2投目には高さのある投てきで美しい弧を描き、62メートル87をマークしトップに躍り出た。3投目はファールもトップ8へ1位で進出。4投目前には手拍子をスタンドに要求。声を上げ、やりを放ったがフォールとなった。5投目も投げた瞬間に顔を曇らし、ファールに。2位の武本が自身の記録を超えられず優勝が決まった中での最終第6投。記録は59メートル87と振るわなかったが、2年ぶりの日本一に“榛花スマイル”でスタンドに手を振った。
優勝インタビューでは控えめな笑顔で「パリの内定はもらっていたので、記録的な結果も欲しかった」と素直な思いを吐露。それでも「しっかり結果を出せたことは良かったです」と一息ついた。
パリ五輪へ。「正直あまり(調整は)順調じゃない。かなり危機感があります。それでもパリまであと1カ月、しっかりと調整して臨みたい」と視線を上げ、スタンドの多くのファンに誓った。
また、髪形について聞かれた北口は「髪を切りに行く時間がなかった。顔にかからないようにするために、この結び方しかなかった」とこの日一番の榛花スマイルを見せていた。
いつでも何かを教えてくれるのが、日本選手権だ。雨中で行われた昨年6月は体と技術がかみ合わず、3連覇を逃して人目をはばからず号泣。「日本人には負けてはいけないと思ってやっていたので悔しい」と語った。だが、膿が出切ったような敗戦が、翌月の日本新記録更新、そして8月の世界選手権初制覇への伏線となった。頂点だけを目指す五輪直前につかんだ日本一のタイトルはきっと、花の都へとつながる。
なお、北口の自己ベストは日本記録の67メートル38(2023年9月、ダイヤモンドリーグブリュッセル)。
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2024-06-28 11:21:00Z
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