プロ野球オリックスからポスティングシステムによる米大リーグ移籍を目指していた吉田正尚外野手(29)が5年総額9000万ドル(約124億円)でレッドソックスとの契約に至った。
ポスティング公示から、わずか1日での電撃決着。近年、筒香嘉智、秋山翔吾(現広島)と日本人は外野手でもMLBでは苦戦しているにも関わらず、日本人野手最高の契約を手中に収めた。
メジャー挑戦を表明していたもう1人の日本人選手、吉田より1学年上の千賀滉大投手(29)はメッツと5年総額7500万ドル(約102億円)で契約した。野茂英雄以降、本場で日本人が好成績を残してきた先発投手で、事前のMLBでの評価は吉田を凌駕していたのだが、総額では及ばなかった。二人の契約はなぜ逆転したのか――。
「出来レース」とも囁かれるほどのスピード決着
かねて吉田の評価は芳しくなかった。米国の大手マネジメント会社代理人が明かす。
「肩を含めた外野守備、走塁は平凡で、ホームランバッターでもない。三振の少なさや敬遠を含めた四球の多さは特筆すべきだが、打撃は日本での成績がそのままメジャーに適用できない。メジャーは直球の球速が日本より平均7、8キロ速く、本塁打の怖さがない吉田に、相手投手は臆せずストライクゾーンで攻めてくるだろう。四球が減ると同時に三振は増え、必然的にセールスポイントの出塁率は下がる。昨年の鈴木(誠也外野手)の契約(5年総額8500万ドル)を超えることはないだろうとみていたが……」
しかし、ふたを開けてみれば、レッドソックスは吉田との契約とは別に、オリックスに1540万ドル(約22億円)の譲渡金を支払う義務が生じるにも関わらず、鈴木を上回る契約を提示した。しかもタンパリングはあってはならないのだが「出来レース」とも囁かれるほどのスピード決着だった。
2022-12-15 08:00:00Z
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