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Sunday, October 9, 2022

女子野球部 私が作る…関学大1年 「選択肢増やしたい」 - 読売新聞オンライン

 大学野球の強豪、関西学院大(兵庫県西宮市)の男子硬式野球部に今春、創部123年で初の女子部員が誕生した。人間福祉学部1年の藤本 莉央りお さん(18)で、女子野球部の創部を目指して入学。その意思を知った本荘雅章監督(51)が練習場所の確保など仲間集めの足がかりになればと受け入れた。女子部員は計6人に増え、藤本さんは「大学の女子野球部は少ない。女子球児の選択肢を増やしたい」と話す。(上田真央)

◇全国で10校だけ

 藤本さんは岡山県の高校で初の女子野球部ができた岡山学芸館高のチーム1期生で、主将として3年時に春の全国大会の選抜8強入りに貢献。「どうしても好きな野球を続けたい」と進学先を探したが、女子野球部がある大学に絞ると選択肢が少なく、「勉強にも打ち込みたいけど希望に合う大学がない」と壁にぶつかった。

 女子の高校野球は、春夏の全国大会が東京ドーム(東京都)や甲子園(西宮市)で開催されて注目が集まっている。全日本女子野球連盟などによると、加盟校は高校で50校を超えたが、大学は環境整備が進まず全国で10校だけという現状がある。藤本さんは「ゼロから部を作ろう。高校でチーム作りを経験した自分ならできるかも」と考えた。

 しかし、難題は練習場所の確保で、プレー環境がなければ仲間集めも進まない。岡山学芸館高の山崎慶一監督(65)に相談すると、「女子野球部を作るために力になってもらえないか」と旧知の本荘監督に支援を頼んでくれた。本荘監督は「高い目標を持つ学生の入部がいい影響を与えるはず。前例がないことだけど、できることを積み上げていこう」と男子野球部に迎え入れることを快諾。藤本さんは関学大に合格し、マネジャーなどを除いて選手としては初の女子部員となった。

◇なじむ努力

 男子野球部は多くのプロ野球選手を輩出した強豪だが、形だけ籍を置いたわけではない。入学直後は男子の新入部員と練習。高校で主に「1番・遊撃手」として活躍した技術を発揮して周囲に認められた。部の規則に従って制服のブレザーを着て通学し、グラウンド外でもなじむ努力を続けた。「最初は男子に囲まれて気まずかったし、もっとおしゃれをしたかった」と笑うが、授業で出会った同級生らに勧誘を続け、未経験者も含めて女子部員を増やした。

 今は男子部員の自主練習中にグラウンドを使い、女子の仲間と基礎練習を続けるほか、近隣のクラブチームに交じって技術を磨く。男子部員がノックを引き受けてくれることもあるという。大学公認の女子野球部を作るには、女子だけの同好会などとして独立した上で数年の活動実績が必要だ。藤本さんは「野球に打ち込んでいる高校生たちに『関学で野球をしたい』と思ってもらえる基盤を作りたい」と意気込んでいる。

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