Pages

Sunday, August 14, 2022

電力に色を付ける「エネルギーインターネット」 再エネ活用の新たな選択肢 - キーマンズネット

 エネルギー不安が高まる中で、十分な電力を確保すると同時に、環境保護を目的に再エネルギーを活用することの重要性は変わりない。しかし、再エネルギー電力はどうしたら活用できるのだろうか。

 その問いに新しい答えを与えてくれるのが、インターネットと似た仕組みの「エネルギーインターネット」だ。一例として、すでに実用化しているデジタルグリッドの概要を解説する。

エネルギーインターネットの概念と仕組み

 エネルギーインターネットとは、エネルギー供給者(発電家)と電力消費者(需要家)との間をPeer to Peer(P2P)につなぎ、「電力がどこから来たのか」「どこでどのように売買されたのか」「どれだけの量が消費されたか」が正確にリアルタイムで分かる電力需給プラットフォームだ。電力ネットワークがインターネットのように利用できることからそのように呼ばれている。

 現在社会実装されている仕組みとしては、デジタルグリッドが運営する「デジタルグリッドプラットフォーム」(以下、DGP)があり、発電量や電力市場での売買情報、消費量を全て計測して記録できる。大手電力会社を介さずに発電家と需要家がプラットフォームを利用して直接電力取引できる仕組みだ。

 この構想は、そもそも2011年に東京大学大学院技術経営戦略学専攻特任教授(当時)の阿部力也氏(前デジタルグリッド株式会社会長)が提案したもので、そのイメージは図1のようなものであった。

図1 電力グリッドのイメージ(出典:阿部力也氏「情報と電力の融合するデジタルグリッドの提案」)

 図中の黄色で示された円は分散化した電力系統の「セル」で、セルには地域内のオフィスや工場、家庭などの電力消費者がいくつも参加してメッシュ状のサブネットを形成している。セルに太陽光などの発電設備や蓄電設備がある前提で、作られた電力をセルで利用する。足りない電力は他のセルや電力会社の基幹配電網から供給し、発電で余った電力は同じ経路を逆流させられるという仕組みだ。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 電力に色を付ける「エネルギーインターネット」 再エネ活用の新たな選択肢 - キーマンズネット )
https://ift.tt/Jj1YDwA

No comments:

Post a Comment