フェムテックの代表的なアイテム「月経カップ」は膣(ちつ)内で長時間経血をためておける新しい生理用品だ。蒸れやかぶれを軽減できると、近年愛用者が増えつつある。タンポンよりも形状が大きく、正しい位置で使えるようになるには練習が必要だが、その使い方や選び方を分かりやすく教えてくれる人がいる。
月経カップを販売する企業「インテグロ」の社員で「月経カップアドバイザー」の肩書をもつ木下綾乃さん(32)。競泳選手だった木下さんは、競技中の生理ケアに苦労してきた経験から、カップの普及に力を入れている。
3歳から水泳を始め、小学生で全国大会に出場。高校3年のインターハイでは個人メドレーで3位に。大学3年で競技を引退するまで、生理でも練習を欠かしたことはなかった。
「女子選手の中にはタンポンを使う人もいましたが、水着からヒモが出たりタンポンが水を吸って膨張したり、それが不快で苦手でした」
生理中の水泳は医学的に問題ないとされている。日本臨床スポーツ医学会が指針を出したり、日本産婦人科医会がホームページで生理時にプールに入ってもよいとする見解を載せたりしている。
ただプールサイドに上がった後に課題がある。タンポンをしていても経血が流れ出てしまうことがあるからだ。木下さんも「女子同士で水をかけあったり、濃い色のタオルで拭いたりしながら、その場をしのいできた」と振り返る。
こうした悩みを解決してくれるのが月経カップだ。木下さんが出合ったのは5年ほど前。欧米で流通していた月経カップを輸入し、日本での販売を目指していた同社社長と知り合い、製品モニターを依頼されたのがきっかけだった。
初めてプールで試したときのこと尋ねると、木下さんの言葉に熱がこもる。
「生理のことを忘れるくらい、泳ぎに集中できました。現役のときに使っていれば、もっといい成績が残せたんじゃないか。そう思えるほど心地よかった」
スポーツであれ、仕事であれ、生理中も普段通りがんばりたいと願う女性は少なくない。そういう人に月経カップを知ってほしい。
「水泳で日本一にはなれなかったけれど、月経カップは誰よりも正しい情報を伝えられる、そんなアドバイザーになりたいです」
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