全国高校駅伝の男子は26日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点に7区間42・195キロのコースで行われ、世羅(広島)が2年連続11回目の優勝を果たした。自身が持つ歴代最多の優勝回数を更新した。
スーパー留学生のコスマス・ムワンギ(3年)を擁し、連覇を果たした世羅。今季は日本選手がけがや不調に苦しんだが、総合力の高さを見せた。
前回の都大路で大会記録まで13秒に迫る好タイムで優勝したが、今春はそのダメージの影響か、1区を走った森下翔太(3年)や6区の吉川響(同)ら主力選手に故障が相次いだ。アンカーで歓喜のフィニッシュテープを切り、今季は主将を務める塩出翔太(同)は「春の状態では『都大路連覇』を言える雰囲気ではなかった」と振り返る。
そんな状況でも、新宅昭二監督(50)は冷静だった。「昨季は5000メートルのタイムも想定以上に出るなど、出来すぎだった面がある」。今年はトラックでのタイムをむやみに追い求めることはせずに、時間をかけて距離を踏み、足作りに時間を割いてきた。
けがから復帰した森下や吉川らも夏場以降に調子を上げ、秋の県予選では2時間4分台の好タイムで18年連続51回目となる都大路の出場権を獲得した。
塩出を中心にチームもまとまった。塩出は練習で積極的に前に出て引っ張るように走り、月に1回開く選手だけのミーティングでも「都大路優勝」を口にしてチームを鼓舞した。今夏の全国高校総体5000メートルで予選敗退するなど苦しいシーズンを送り、今大会直前に脚の違和感を訴えて補欠に回ったが、新宅監督は「個人的に悔しい思いをしているが、よくチームをまとめてくれている」と信頼を置く。
「大会記録を更新しての連覇」を目標に掲げて臨んだ今大会。塩出を欠いたチームだったが、前回優勝を経験している森下や吉川らを軸に着実にたすきをつなぎ、2014、15年大会以来の連覇を成し遂げた。【伝田賢史】
2021-12-26 05:31:54Z
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