米男子ゴルフで歴代最多82勝を挙げているスーパースター、タイガー・ウッズ(45=米国)が2月23日の自動車事故後、初めて公の場に姿を現した。11月30日、バハマで自身がホストを務める「ヒーロー・ワールドチャレンジ」の大会会見に参加し、元気な姿を披露。来年に向けて「新たなページをめくりたい」と心機一転を強調し、ケガからの近況やツアー復帰への思いも口にした

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ウッズは自らの足で歩き着席した。ナイキの黒いキャップをかぶり、黒い迷彩柄のゴルフウエア姿、そして鍛えられた太い両腕。以前と変わらぬタイガーがいた。今月30日で46歳となることに触れ、「今年(46歳)は新たなページをめくりたい。大変タフな思い出とタフな時間を過ごした。ページをめくることはとてもいいことだ」と話した。

猛スピードによる単独の横転事故で、右脚を粉砕骨折した。事故後の3週間を過ごしたロサンゼルスの病院では、右脚は切断するかどうか「テーブルの上で議論された。足1本で退院しなければならなかったかもしれない」ほどの重傷。「生きていられて、私に手足があることは幸運だ」と実感を込めて話した。

退院後は3カ月は自宅で寝たきり生活だったが、松葉づえを使えるようになり、そして自力歩行ができまでになった。同時にゴルフの練習も開始。実際に数ホールのラウンドも行ったというが、「ショットが以前と比べ、あまりにも早く空から落ちてくることにビックリだ」と笑う。これまでも腰や左ひざといった10回にも及ぶ手術を乗り越えてきた。フル参戦することは難しいとしながら、1950年代にベン・ホーガンが年間数試合に限って出場していた例を口にし、ツアー復帰への希望を語った。

その上で、一段と言葉に熱を帯びたのが聖地への思いだ。「セントアンドリュースでプレーしたいのは間違いない。世界でもお気に入りのコースだ」。自身が00年、05年の全英オープンを制した場所で、くしくも来年7月の150回目となる記念大会でも使用される。「いつの日か、再び世界のベストプレーヤーたちと戦いたい」。再びメジャーの舞台に戻れるのか。不死鳥と呼ばれる不屈の男の挑戦は既に始まっている。