「ありがとうしかないです」
涙をぬぐいながら東野有紗は相方に感謝した。そして渡辺勇大もまた涙で声が詰まらせた。
東京五輪のバドミントン混合ダブルスで渡辺・東野が、香港のトウ俊文・謝影雪を破り、同種目日本勢初の銅メダルを獲得した。
第1ゲームを先取し、迎えた第2ゲームは序盤で相手に先行された。しかし、その後追いつき、競り合いの展開に持ち込む。ここで気持ちを引いていたら相手に流れは渡っていたかもしれない。でも、2人は強気に立ち向かっていった。
「ああなったら最後は気持ちの勝負しかない」(渡辺)
最後は渡辺のショットが決まり、23-21。
銅メダルが確定すると2人はコート上でお互いの健闘を称えあった。
初めてコンビを組んだのは中学生
「勇大くん」「東野先輩」
そう呼び合う2人は福島・富岡第一中の1学年違いの先輩と後輩。渡辺が中学2年、東野が中学3年のとき、たまたま国際大会でコンビを組むことになり、そこで表彰台に立った。
「最初はミックス(混合)ダブルスという種目があることもあまり知らなくて(苦笑)。でも、勇大くんとミックスダブルスを始めてから、すごくミックスダブルスが楽しいな、勇大くんとこれからも組んでやっていけたらいいなと思って」(東野)
互いに相性の良さを感じ、富岡高へ進学後もペアを継続した。1学年上の東野が先に卒業し、日本ユニシスへ入社。いったんペアは解消となったが、東野が「やっぱり勇大くんとやりたい」と説得し、1年後には渡辺も同社に入社した。
今年で結成10年目。ペアを組む時間が長くなるにつれ、2人は年々、相手への信頼度が深まっていることを実感。昨年インタビューでもこんな話をしていた。
「前までは分からなかった部分も分かるようになってきて、『勇大くんは今、こうしたいんだろうな』ということも察知して動けるようになりました。本当に(渡辺は)カバー力も世界一すごくて、なんでもまかせられる存在。いつも信頼度100%です!」(東野)
「“この球だったらここに打つだろうな”というような打ちどころというのか、そういうものが分かってきて予測しやすくなりました。自分がワンサイドにいったら、もうワンサイドを先輩がカバーしてくれるという、お互いの信頼関係はダブルスには必須です。そこがしっかりと成り立っているからこそ、ラリーを展開できているんだと思います」(渡辺)
2021-07-30 11:00:00Z
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