新型コロナウイルス感染者が出た阪神で、濃厚接触者や球団独自に濃厚接触者扱いとされた福留孝介外野手(43)ら6選手が5日、兵庫県内の鳴尾浜球場で自主練習を開始した。

濃厚接触者と判断された岩崎優投手(29)、小川一平投手(23)、球団独自に濃厚接触者扱いとしていた福留、江越大賀外野手(27)、小林慶祐投手(27)、木浪聖也内野手(26)は、4日に東京都内の隔離先から帰阪。5日午前に核酸増幅法検査で陰性判定を受け、この日から自主練習を再開した。

練習後に取材に応じた最年長者の福留は、開口一番で謝罪した。「まず一番、しっかりしなければいけない立場の僕、一番年長者であって、チームのルールを破ってしまった。そこに対しては、本当に申し訳ないというか、チームが一生懸命やっている中で、全員がこういう気をつけている中で、そういうことを行ってしまったというのは深く反省しなきゃいけない。周りの方に多大な迷惑をかけたなというのはあります」。 阪神は9月25日に、選手5人とスタッフ2人の新型コロナ感染を発表。同時に同19日に、陽性判定者となった糸原、陽川、岩貞と、福留、江越、木浪、小林、スタッフ1人の計8人が、遠征先の名古屋市内の飲食店を貸し切って会食していたことも分かった。球団は感染拡大状況などを考慮し、広島と名古屋の遠征時は球団指定日に限り、球団関係者や家族との外食を許可していたが、個室や4人まで、手洗い徹底という制限を付けていたため、8人での会食は球団ルールから外れていた。内規違反への処罰について、球団は「球団の規則にのっとり、厳正に対処していきます」とした。

この日、福留らは午後3時前後に各自アップを開始。キャッチボールやランニング、打撃練習などで約2時間の自主練習を行った。久しぶりに体を動かした福留は「やっぱりそんな簡単に動くものではないと思いますし。僕自身はなかなかというのはありますけど、一緒に連れて行っていた若いやつらは、そういう時間がすごくもったいないというのはある。急いでやりすぎて、ケガだけはしてほしくないという思いはあるし、僕自身も気をつけながらという思いではあるので、徐々にだとは思います」と素直な思いを吐露した。

シーズンは終盤戦に差し掛かり、残り試合もわずか。阪神は4日の敗戦で、首位巨人と今季最大の13・5ゲーム差をつけられた。「僕らは1日でも早く体の状態を整えて、プレーして、そういう迷惑をかけた分はグラウンドで返せるようにやっていく。そのための準備というのをしっかりと出来ればいいかなと思っています」。グラウンドで取り返すためにも、1日でも早い復帰を目指す。