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Wednesday, July 29, 2020

交通事故賠償 被害者の選択肢広げた最高裁 - 読売新聞

 交通事故で後遺症を負った人に一括払いしていた賠償金を、月ごとに支払う方法が認められた。被害の実態に合った救済につなげたい。

 事故に遭わなければ将来得られたはずの逸失利益をどう賠償するかが争われた裁判で、最高裁は「被害者が求める場合、一定額を定期的に支払う方法も認められる」との初判断を示した。

 4歳の時にトラックにはねられ、脳に重い障害を負った男性と両親が、運転手や保険会社などに慰謝料や逸失利益の支払いを求めて提訴した。保険会社側は逸失利益の一括払いを主張し、男性側は月1回の定期払いを求めた。

 一括払いでは、将来にわたって得られるはずの利息分が差し引かれ、被害者が受け取る総額は定期払いより大幅に減る。今回は法定利率5%で、定期払いなら計約2億円なのに対し、一括払いだと5000万円にとどまるという。

 被害者の損害を金銭的に評価し、回復させるという損害賠償制度の目的を考えれば、定期払いが認められた意義は大きい。男性の両親は「全く働けない状況で生きていく場合、一括払いの金額では不安だった」とコメントした。

 判決は、定期払いを選択した被害者が亡くなった場合も支払いを打ち切るべきでなく、賠償義務は続くとも判断した。一括払いとのバランスを考え、被害者の立場に配慮した判断と言えるだろう。

 ただ、定期払いも良い面ばかりではない。保険会社が破綻した場合などは、賠償の支払いが止まるリスクがある。後遺症が改善したとして減額を求められる可能性もあり、保険会社との関わりが長年続く精神的な負担は重い。

 被害者側は、一括払いと定期払いの利点と欠点を見極め、自分に適した受け取り方法を選ぶことが大切だ。損害保険各社も、被害者が希望する方法での賠償を実現できるよう見直してもらいたい。

 交通事故の件数は近年、減少傾向にあるものの、年間3000人以上が亡くなり、約46万人が重軽傷を負っている。寝たきりの状態になったり、脳に重い障害が残ったりするケースも少なくない。

 事故後、被害者や家族は治療や介護、生活の立て直しなど多くの問題に直面する。救済は賠償だけでは不十分で、国や自治体による長期的な支えが欠かせない。

 被害者に支援制度の情報を適切に提供する。ヘルパー派遣や相談窓口を充実させる。こうした取り組みを通じて、被害者や家族を孤立させないことが大切だ。

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