「結果を求めたい」
宇野昌磨選手は競技者として勝負にこだわる姿勢に立ち返り、大会連覇を果たしました。
世界選手権で2連覇するなど、“絶対王者”になったからこそモチベーションの維持に苦しんできた宇野選手。
今シーズンは「自分を満足させる演技をすること」を目標に表現力に重点を置いて練習に取り組んできました。
“競技者”よりも“表現者”として「フィギュアスケートはジャンプだけではないと伝えたい」という思いで大会に臨んできた宇野選手。
しかし、今回は違いました。
開幕前の取材から「結果を求めたい」と繰り返し口にしたのです。
その理由について宇野選手は「マリニン選手の存在が大きかった。グランプリシリーズのあと今シーズンも“競技者”としてやると決めた」と話しました。
12月に行われた、グランプリファイナルで次々と高難度の4回転ジャンプを成功させるアメリカの19歳、イリア・マリニン選手に敗れ2位に終わったことで、宇野選手の闘志に再び火がついたのです。
そして、「勝つためにはやはりジャンプが必要」と自身の中で今シーズン最もうまく跳べたという11月のNHK杯のジャンプの映像を繰り返し確認し、ジャンプに再現性を持たせることを目指してグランプリファイナルまでよりも練習で跳ぶ本数を倍以上に増やしたといいます。
23日のフリーでは「自信が持てるジャンプの内容ではなかった」としながらも4回転フリップや4回転トーループからの連続ジャンプを決めて高い出来栄え点を得るなど成果を示しました。
さらに、直前の調子を見て状態のいいジャンプに構成を変更するなど結果にこだわる姿勢も見せました。
演技後、宇野選手は「本当は表現面を練習したいし、ジャンプにこだわることは本来やりたいことではないので楽しい練習ではなかったし気持ち的には難しかった。それでもこの試合を最高のものにしたいという思いをもって臨むことができた」と話しました。
そして、出場が濃厚になった来年の世界選手権に向けては4回転ジャンプの本数を増やして昨シーズンまでの4種類5本の構成に戻すことも視野に練習を進めるといい、「これまでの3年間で最も難しい大会になると思うし自分が優勝するにはスケート人生で1番の演技をしないといけない。マリニン選手に勝つために最高の調整をして臨みたい」と明確に勝つことを目標に掲げました。
史上6人目の世界選手権3連覇を目指して、競技者であり続けることを選んだ宇野選手に注目です。
2023-12-23 14:49:33Z
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