国の原子力委員会(上坂充委員長)は28日、ロシアのウクライナ侵攻以後に懸念されるエネルギーの安定供給や、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラル」の実現といった課題に対応する上で、原子力発電を「選択肢の一つ」とする令和3年度版原子力白書を取りまとめた。エネルギーの安定供給を確保する手段として、「原子力のあり方を考えていくことが必要」と明記した。
白書は、ウクライナ侵攻によりエネルギーの安全保障が世界共通の重要課題となっているとして、諸外国の原子力活用の分析も盛り込んだ。また、地球温暖化への対応を「経済成長の機会」と捉え、カーボンニュートラルの実現に向けても、発電時に温室効果ガスを排出しない原子力発電を活用できるとした。
昨年10月に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」で、令和元年度の電源構成のうち原子力は約6%を占めるが、令和12年度には約20~22%に増やすと見通している。白書によると、米国、英国、フランス、中国、ロシアも、日本と同様にカーボンニュートラルを宣言し、原子力発電比率を高めるなどして原子力を活用するが、ドイツや台湾は、原子力発電からの撤退を決めているという。
こうした世界各国の動きがある中、白書は、日本でもエネルギー問題を「自身の日常生活に直結する『じぶんごと』として捉えることが重要」とした。
会合後、上坂氏は「世界情勢が目まぐるしく変わる中、エネルギー問題はより注目されている。原子力の役割について改めて考えてほしい」と話した。
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