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Sunday, May 1, 2022

「選択肢出すだけでは意味がない」 尾身氏提案に揺れた専門家組織 - 毎日新聞

記者会見で四つの選択肢を説明する、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=東京都千代田区で2022年4月27日午後3時9分、原田啓之撮影
記者会見で四つの選択肢を説明する、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=東京都千代田区で2022年4月27日午後3時9分、原田啓之撮影

 今後、新型コロナウイルスの感染が拡大した時に、まん延防止等重点措置を発令するのか、それとも発令せずに済ませるのか――。政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の専門家有志が4月27日の会合で示した四つの選択肢は、事前の議論で紛糾した末に導かれたものだった。選択肢を示すだけでなく、一つの「お薦め」案に絞りたかった分科会の尾身茂会長の意向は、専門家有志の議論の前についえた形となった。【原田啓之】

「水と油」の一本化求める

 「選択肢を出すだけでは意味がない。どれがより望ましいか、分科会として方向性を出すべきだ」。4月24日午後に開かれた専門家有志による非公式のオンライン会合。分科会の医療や感染症、経済分野の専門家が参加しており、まとめ役の尾身氏が神妙な面持ちでこう投げかけた。

 複数の参加者によると、専門家有志は3月末から議論を始め、選択肢案を仕上げつつあった。5月に感染が急拡大した場合を想定し、「重点措置などの行動制限をするか否か」と「感染者の隔離など医療・保健の特別対応を続けるか軽減するか」を組み合わせた4パターン。例えば、四つの選択肢で最も厳しい対策は、重点措置を発令した上で、医療機関などで感染者を隔離するという従来の手法を踏襲する。一方で、行動制限は一切せず、感染しても在宅での診療を優先するという最も緩和したパターンも含まれる。感染者数の急増を抑えたい感染症・医療の専門家と、経済活動を優先したい経済の専門家の考え方を反映し、大きな隔たりを残していた。

 水と油のように交わらない意見の一本化を尾身氏が求めたのは、…

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