日本ハム・鈴木が新境地を開いた。19日のロッテとの練習試合で8回から登板。1イニングを3人、わずか10球で完全に抑えた。右腕からボールを繰り出すリリースポイントを「下げた。膝ぐらいまで、自分の中では結構下げた」というモデルチェンジが功を奏した。
入団から2年、体のばねを感じさせるフォームの横手投げとしてやってきたが、通算32試合で防御率5・58。数日前、新庄監督から「練習中に急に呼ばれた」という。待っていたのは「下にしてみない?(リリースポイントが)見やすくなっているから、ちょっと見えづらくしない?」という助言だった。
「うわ、下か…と思った。自分の選択肢になかった。でも、一つの引き出しとしてやってみればいいかという感じでやってみた」
どうせ取り組むなら徹底的に。通算87勝、侍ジャパンでも活躍した元ロッテ・渡辺俊介氏の動画を見た。「緩急で凄く抑えていた投手。アンダースローで力んだら、また見やすくなる。力まず緩急、というイメージで参考にした」。かくして、ゆったりとした下手の新投法が生まれた。
「キャンプで(投げ方を)変えるのは凄く勇気がいること。今年に懸ける意気込みが本当に伝わる」と武田投手コーチ。是が非でも結果が欲しい社会人出の3年目へ、鈴木は「まずフォーム固めが第一」と完成形を急ぐ。(和田 裕司)
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