ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、フェンシング日本代表の青木雄介監督（48）が24日、ワールドカップ（W杯）出場に備えてロシアのソチに滞在している、男女エペのナショナルチームに関する情報収集に当たっていると明らかにした。

ソチは、両国が接する黒海に面している都市。女子のW杯が25～27日の日程で予定されており、日本から9選手が個人戦にエントリーしている。昨夏の東京オリンピック（五輪）団体で初の金メダルを獲得した男子も、同地で13日まで行われたW杯に出場した後、合宿を続けている。

エペの日本代表チームを指導しているウクライナ人のオレクサンドル・ゴルバチュク・コーチも同行しており、連絡を取った青木監督は「サーシャ（同コーチの愛称）本人も、ご家族も元気とのことです。引き続き安全に留意し、情報収集に努めていきたい」とコメントした。

日本代表は海外遠征する際、ウクライナの首都キエフにある施設を練習拠点にすることが多い。今回もW杯開催地に近いため合宿を計画していたが、政情不安を鑑みて変更していた。

現時点ではロシア滞在を継続する予定。ただ、青木監督は「安全を最優先に、状況を注視しながら移動の前倒しも含めて決定していく」との見通しも語った。

情勢が悪化した場合、次の大会が行われるハンガリー入りを早めることも「念頭に置いています」とも補足した。すぐ動くことが得策か見極められない流動的な状況であり、慎重に判断していく。【木下淳】