米国カリフォルニア州ベイエリア大気質管理局と都市交通委員会は5月24日、ベイエリア通勤手当プログラムにおいて、在宅勤務をプログラム順守のための選択肢に加えると発表した。当初、新型コロナウイルスの感染拡大対策として始まった在宅勤務が定着してきたことが背景にある。
ベイエリア通勤手当プログラムは、公共交通機関や自転車などによる通勤を奨励することで同地域の交通渋滞緩和や大気汚染を改善することを目的に、一定の条件を満たす雇用主(注1)に従業員(注2)への通勤手当や通勤手段の提供を義務付けるもの。これまでは、同プログラム順守のための4つの選択肢(注3)のうち、いずれか1つ以上の導入を義務付けていた。今回の発表により、従業員に週1日以上の在宅勤務を許可する選択肢が加わった(注4)。同プログラムを順守しない雇用主は、カリフォルニア安全衛生法規に基づいて罰金が科される。
ベイエリア大気質管理局のジャック・ブロードベント局長は発表の中で、「ベイエリアにおいて、輸送は最大の温室効果ガス(GHG)排出源だ。いつ、どこで、どのように働くかといった柔軟性が輸送関連の汚染を減らす助けになる」と述べた。
ベイエリア通勤手当プログラムとは別に、条例によって同様の通勤手当の提供を雇用主に義務付ける自治体もある。サンフランシスコ市では、同市内に所在し米国内で計20人以上従業員を持つ雇用主に通勤手当条例が適用されている。
(注1)サンフランシスコ・ベイエリア(9郡:サンフランシスコ、サンマテオ、サンタクララ、アラメダ、コントラコスタ、ソラノ、ナパ、マリン、ソノマ)において、50人以上のフルタイム従業員を抱える雇用主が対象。人材派遣会社も、平均週30時間以上勤務する50人以上のフルタイム従業員がいれば該当する。
(注2)直近の月に平均週20時間以上勤務した従業員。ただし、年間120日未満勤務の臨時従業員、一時的な勤務地で働き本社に出向かない従業員は含まない。
(注3)(1)従業員の課税所得から交通機関や通勤相乗りバン利用費の控除、(2)交通機関や通勤相乗りバン利用費の雇用主による一部または全額負担、(3)低価格あるいは無料のバスやシャトルサービスなどの提供、(4)1人しか乗車していない車両を減らす代替通勤手段(週の勤務日数を減らし、1日の勤務時間を増やす勤務体制の導入など)に対する手当の提供。
(注4)在宅勤務ができない従業員向けに提供している通勤手当を廃止しないことが条件。
(田中三保子)
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