阪神川藤幸三OB会長(71)は現役引退を決断した藤川に“大あっぱれ”を送った。8月30日夜に本人から引退する旨の連絡があり、約40分間、電話で話したという。「お前が決めたことに、ワシはとやかく言うことは何一つあらへんぞ」と、思いを受け入れ、ねぎらったことを明かした。入団当時を「1年目、ガリガリの鉛筆の芯みたいやったのが、いろいろな人生を経て、ここまでたくましい男になった。見事な藤川球児という野球人生をここまで全うした。それで十分。本当によくやってくれた」と、言葉を贈った。

注目される日米通算250セーブについては、川藤氏が記録は気にするなという考えを伝えたところ、「あいつは『どうでもいい』と。『川さんの言う通りです。僕も一切、考えてません。250になろうがなるまいが、そんなこと、どうってことありません』」という会話も明かした。

ラストシーズンは残り60試合。藤川は復帰を目指して、練習を続ける。「最後の1試合でもいいじゃないか。野球ファン、タイガースファンに最後のお返しをするために肩、肘を治して。ファンの皆さんの前に最後の1球というものを投げる覚悟を持っている。それを素直に見てやったらいい。それが戦力になるかどうか、それは結果。球児はその戦力になろうと思ってやろうとしている。それだけよ」。最後まで右腕の生き様を、温かく見守る覚悟だ。【奥田隼人】