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Sunday, August 30, 2020

教養としての投資(2):人生100年時代の選択肢 - トウシル

農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね」を運用している農林中金バリューインベストメンツのCIO「奥野一成」が、『ビジネスエリートになるための教養としての投資』を執筆、投資の本ながらビジネス部門で話題となっている。

 投資と本来の投資のあり方とその哲学、長期投資のコツ、優良企業の見極め方などを、歴史的な背景や実例を交えながらわかりやすく解説するこの著書は、投資を今から始める人、投資の運用に困っている人にぜひ読んでほしい。

 トウシルでは、この本の中から、ぜひみなさんに読んでほしい内容を10編ピックアップ。今回は2回目を紹介する。

人生100年時代の選択肢

 なぜこんなに株式投資を勧めるのか、皆さんは不思議に思うかもしれません。しかし私は別に証券会社や東京証券取引所の回し者ではありません。そうすることが、皆さんのこれからの人生にとって必要だからです。

「人生100年時代」。もういろいろなところで言われています。皆さんが労働者1.0のままで働き続けたとしましょう。労働者1.0ですから、富を生み出せるアセットは自分自身だけになります。自分が持っている才能と時間を使ってひたすら働くわけです。それによって生み出されたキャッシュによって生活していきます。

 社会人になるのが22歳で、亡くなるのが85歳だとしましょう。この間、稼げるキャッシュは22歳の時よりも30歳、それよりも40歳というように、徐々に増えていき、恐らく50歳あたりでピークを迎えます。その後、55歳くらいで役職定年があり、その時点で給料が30%くらいカットされます。そして65歳まで雇用延長で働ける会社だとしたら、60歳の時点でさらに給料がカットされ、働くことで得る収入は一旦、65歳の時点で終わるという流れになります。そこから先は年金のお世話になるわけです。

 ここから先に大きな問題が立ち塞がっています。それは、長生きしてしまう「リスク」があることです。

 昔は長生きすると、「おめでたい」などと言われましたけれど、それは周りが早死にだったからです。平均寿命が60歳程度の時に100歳まで生きる人がいたら、それはめでたいわけです。本当に一握りの人ですから。

 これは実数で見ればよくわかります。厚生労働省の数字によると、昭和38年の100歳以上高齢者人口は、男性20人、女性133人の合計153人でした。総人口数が9615万6000人だったので、100歳以上高齢者人口が総人口に占める比率は0.0001%でした。

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