心臓にある小さな穴を塞いで、脳 梗塞 の再発を防ぐカテーテル治療に、公的医療保険が使えるようになった。細い管を血管に通して行うため、体への負担が小さい。原則、60歳未満の患者が対象になる。比較的若い時に脳梗塞になった患者の生活の質を高めることが期待される。(辻田秀樹)
心臓の穴を塞ぐ
「心臓の穴の影響で、再び脳梗塞が起こる可能性があります」。聖路加国際病院(東京都中央区)に50歳代の時に入院した男性は、医師の説明に驚いた。脳梗塞の原因を探るために全身の検査を受けたが、心臓に異変があるとは思ってもいなかったからだ。
穴は直径1センチほどで、心臓の右心房と左心房の間の壁(心房中隔)にあった。「 卵円孔 」と呼ばれ、健康な人でも約4人に1人は開いているという。心不全など心臓の病気の原因になることは、ほとんどないと考えられている。
だが、災害時の避難生活で発症しやすいエコノミークラス症候群のように、脚の静脈に血の塊(血栓)ができると厄介だ。心臓に達した血栓が、運動やせき、排便時のいきみなどの影響で、卵円孔を通って左心房に入ることがある。その後、左心室から脳に移動し、血管を詰まらせると脳梗塞を引き起こす恐れがある。
脳梗塞は毎年20万人程度が発症するとされる。動脈硬化や不整脈の一種の心房細動が主な原因だ。血栓ができる場所や詰まる血管の太さにより、主に心原性脳 塞栓 症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞に分かれる。一方、50歳代以下では卵円孔が原因とされる脳梗塞が目立つ。
脳梗塞の再発予防は、抗凝固薬や抗血小板薬で血栓を溶かし、血液をさらさらにするのが一般的だ。卵円孔は通常、治療の必要はないが、脳梗塞の原因と判断された場合、新たな治療法が有効な選択肢となる。
右の太ももの付け根から静脈にカテーテルを入れ、金属製の器具を穴がある心臓に固定させる。器具は直径3ミリほどのカテーテルに収まる大きさだが、心臓に到達すると傘のように開いて穴を塞ぐ仕組みだ。
男性の場合、精密検査で再発リスクが高いことが分かり、この治療に臨んだ。治療自体は1時間ほどで終わった。現在、体調に問題はないという男性は「治療を受けて本当に良かった。心臓の治療で、脳梗塞の再発が防げるなんて、びっくりした」と喜ぶ。
公的医療保険適用に
2019年12月に公的医療保険が適用された。高額療養費制度により、一般的な所得の場合、自己負担は10万円前後。入院期間も3泊4日程度で済む。
男性を担当した聖路加国際病院循環器内科医長の三橋弘嗣さんは「安全性、効果がともに高い治療法だ。保険が使えるようになり、患者の選択肢が広がった」と話す。
この治療は当面、日本心血管インターベンション治療学会の認定を受けるなどした約30施設で実施する。
同学会理事長で東海大教授の伊苅裕二さんは「脳梗塞を予防するための治療で、万が一のことがあってはいけない。安全に行える施設からスタートすることにした」と説明する。今後、実施できる施設を増やしていく予定という。
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March 07, 2020 at 03:20AM
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脳梗塞 再発防ぐカテーテル治療…若年層へ有効な選択肢 - 読売新聞
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